はじめに
本研究は,日本語學習者が理解しやすい類義語指導と翻訳のための基礎研究として,多義動詞である「知る」と「分かる」の使い分けと中國語訳を體系的に記述することを目的とする。「知る」と「分かる」を認知言語學の角度からその意味拡張と中國語訳を考察する。この2つの言葉は日本語學習者にとって、普通にその簡単な辭書意味だけ使う。だから、誤用もたくさんある。母語話者じゃないから、話し言葉とか書き言葉とかいつも意味通じれば終わる。相違點も中國語との対応も重點にしない。特に中國で日本語は発展している際に、直訳、意訳の翻訳もバラエティになってしまう。時々、學者によって違うので、人々の認知は違うからである。だから、認知言語學の視點からこの2つの言葉の研究は必要がある。これをもとにして、他の類義語、日本語學習者が間違いやすいことばの勉強に基礎研究として行う。
一 先行研究
生天目 知美, 高原 真理, 砂川 有里子(2017)多義語である「知る」と「分かる」の使い分けを網(wǎng)羅的,および體系的に示すことを目指し,大規(guī)模なWEB コーパスを使用してどの語義で類似するかを分析し,4 つの類義関係に整理した。さらに,各類義関係において「知る」と「分かる」が置き換えできない時,それぞれの意味的対立がどこにあるのかを,両形式が表す認知狀態(tài)の変化の4 つの側面から捉えた。「未知狀態(tài)からの変化」は「認知狀態(tài)変化の以前の狀態(tài)」,「過程性の焦點化」は「認知狀態(tài)変化の過程」,「逆行の変化」は「認知狀態(tài)変化の方向性」,「內的な了解能力」は「認知狀態(tài)変化が起こる要因」である。でも、実際の學習者の誤用に扱わない。
森田良行(2005)による、日本語學習者が「シル」とワカルを習得する際に、それらの意味特徴を精確に理解できないことで學習上の困難が生じてくると考えられる。また、「シル」と「ワカル」がかかわる意味の特徴には、格助詞が深く関與していると言える。
高橋圭介(2003)の説 高橋(2003)では、「シル」と「ワカル」の多義構造を明らかにし、コーパスから抽出したデータにより、2 語の意味的な共通點と相違點を分析した。詳しく見れば、「シル」と「ワカル」の補語の違いと意味特性を比較することで共通點と相違點を解明するだけではなく、2 語を多義語として扱っており、比喩的意味拡張に基づいて考察することもあった。また、実例を示しながら、個々の別義間の関連性を見いだし、一般化を行うことについては高く評価されると考えられる。
二 辭書における「知る」と「分かる」の意味
三 類義語辭典における意味記述
意味がよく似ている?yún)g語のニュアンスの相違の説明を目指した類義語辭典においても、「シル」と「ワカル」の相違の起因を明らかにし たとは言えない。本研究では、まず『類義語使い分け辭典』(1998:725-728)と『類語大辭典』(2004:254、271)、2冊の類義語辭典における「シル」と「ワ カル」の記述をまとめ、それぞれの問題點を検討してみる。
以下、『類義語使い分け辭典』(前掲)における記述をまとた一部を 取り上げる。
知る:情報·経験·學習を通して、新しい経験·価値を自分のものにする/他動詞/動作動詞/外面的な內容
分かる:心にあった何かの実態(tài)·実情が、ある方法を通して明らかになる/自動詞/狀態(tài)動詞/內面的な內容
次に、『類語大辭典』(2004:254、271)においては、2語の意味が以下のように記述されている。
知る: 何かをしたり、見聞きしたりして、その物事を思考·判斷の対象として意識できるようになる。「テレビのニュースで事故を知った」,「識る」とも書く
分かる: 1ある物事について、それまではっきりしなかったことが、(頭の中で)はっきりする。「事件の真相が~」「採點の結果が~」2物事の意味·內容·価値などを正しく知り、それを受け入れたり利用したりすることができる。
四 まとめ
日日辭書の意味記述からみれば、主に認識の意味を示した。「知る」はだいたいな認識に相関の意味である。「分かる」は普通の意味のほかに「(打ち消しの形で)できぬ、不可能の意」「(打ち消しの形で)一切それをしないの意」「離れる」「世情に通じて頑固なことを言わない」などの意味もある。これは認識の上での意味拡張で、もともとに似ている意味はだんだん別々になっていく。學習者はこれを気がつければ、使用中はっきりできて使う余裕が持てる。両語の意味は一部が重なり合っている。特に「意味を知る」「気持ちを分かる」「ある知識を持っている」の方面は似合っている。本稿は「知る」と「分かる」の意味を影響する助詞、前後項の品詞タイプも扱わない。今後の課題として考察する。
參考文獻
生天目知魅美·高原真理·砂川有里子(2017)多義動詞としての「知る」と「分かる」の
使いわけコーパスを活用した類義語分析國立國語研究所論集63-79
葦原恭子(2010)「日常會話における「わかる」と「知る」の使い分け―談話の分析を通
して―」『留學生教育:琉球大學留學生センター紀要』7: 17-32.
張靜·馬場俊臣(2005)「日本語と中國語の認識を表す動詞の対応―「知る」と「分かる」
の中國語訳を中心にして―」『北海道教育大學紀要(人文科學·社會科學編)』56(1): 67-81.
高橋圭介(2003)「類義語「しる」と「わかる」の意味分析」『日本語教育』119: 31-40.