【要旨】:本稿は主に中國(guó)人日本語(yǔ)學(xué)習(xí)者の依頼に対する斷り行為におけるヘッジ使用の狀況に焦點(diǎn)を當(dāng)て、一発話文當(dāng)たりのヘッジ使用、使用の種類、上位10項(xiàng)目のヘッジ使用という三つの視點(diǎn)から考察した。中國(guó)人學(xué)習(xí)者のヘッジ使用は日本人母語(yǔ)話者に比べ、一発話文當(dāng)たりのヘッジ使用率、使用種類も少ない、また、同じ種類のヘッジを重複に使用する傾向が見(jiàn)られ、多様性が欠かれている。
【キーワード】:ヘッジ;中國(guó)人日本語(yǔ)學(xué)習(xí)者;使用種類;使用頻度
BL(1978/1987)はヘッジ(hedge)を「述部や名詞句が表すそのものらしさの度合いを修正するような小辭、語(yǔ)、慣用句である(田中(訳)2011:80)」と定義している。20世紀(jì)90年代末から、日本語(yǔ)におけるヘッジ研究が始まった。日本語(yǔ)のヘッジとしては、「ちょっと」、「かもしれない」などが挙げられる。ヘッジはポライトネスの一環(huán)として捉えられ、FTAを緩和する表現(xiàn)だと思われる。ヘッジの機(jī)能に関する研究が多くなされているが、學(xué)習(xí)者のヘッジ使用に関する研究は不十分だと思う。本稿は主に依頼に対する斷り行為におけるヘッジに焦點(diǎn)を當(dāng)て、一発話文當(dāng)たりのヘッジ使用、ヘッジの使用種類、上位10項(xiàng)目のヘッジ使用という三つの角度から、中國(guó)人日本語(yǔ)學(xué)習(xí)者(CLに略す)のヘッジ使用と日本人母語(yǔ)話者(JNと略す)のと比較し、學(xué)習(xí)者のヘッジ使用狀況を考察する。
1、データの収集と文字化
JNのデータは宇佐美監(jiān)修(2005)の『BTSJ多言語(yǔ)話し言葉コーパス―日本語(yǔ)會(huì)話1』にある「女性同士の斷りの電話會(huì)話」(18組)[ もともとは39組の電話會(huì)話がある。ここでは18組(対先輩、対同輩、対後輩各6組)を使うことにした。]のデータを使うこととする。
CLの日本語(yǔ)データは、JNの會(huì)話データの場(chǎng)面設(shè)定、人間関係、収集方法に準(zhǔn)じ、筆者が獨(dú)自に集めることにする。女性同士の談話を選ぶことにし、被験者は日本語(yǔ)學(xué)科の20代の女性學(xué)生(JLPT N1に合格した四年生、院生一年生、二年生)合計(jì)36名である。
CLの被験者にそれぞれロールカードを配布し、「論文を書(shū)くために、日本語(yǔ)會(huì)話を収集したいのですが、協(xié)力してくれませんか」と頼んだ。話題はJNの會(huì)話データと同じように設(shè)定し、電話や録音機(jī)などで録音した。長(zhǎng)さはJNのデータと大體同じように3分~5分程度にする。
2、データの分析と考察
2.1 一発話文當(dāng)たりのヘッジ使用
本稿は李(2008)のヘッジの分類に參考し、両グループのヘッジを認(rèn)定した。そして、両グループの発話文數(shù)も統(tǒng)計(jì)した。
JNの會(huì)話データにおいては、一発話文あたりに平均的に約0.69回、CLの日本語(yǔ)會(huì)話データにおいては、一発話文あたりに平均的に約0.59回の頻度でヘッジが使われている。JNよりCLのほうがヘッジを少なく使用しているということが窺える。また、筆者が文字化していた時(shí)、JNの會(huì)話においては、挨拶、相槌、別れの言葉などの発話文が全発話文數(shù)を占める比率はCLよりかなり高い傾向が見(jiàn)られ、これらの発話文にはヘッジを使用する可能性が非常に低いため、この原因に加え、CLの一発話文あたりのヘッジ使用量がJNほど多くないということも証明できると思われる。
2.2 使用種類
ヘッジの認(rèn)定結(jié)果によると、JNが35種類のヘッジを使用している、それに対して、CLは29種類のヘッジを用いている、CLより、JNのヘッジ使用が比較的に豊富的で、分散的だと窺える。
2.3 上位10項(xiàng)目のヘッジ使用
CLとJNのヘッジの使用頻度上位10項(xiàng)目は、「ね類」「なんか」「けど」「ちょっと」「あのう」「とか」「よね」「かな」「思う」「多分」である。そのうち、7項(xiàng)目が共通している、それは「ね」、「けど」、「ちょっと」、「あのう」、「とか」、「よね」、「多分」であり、使用頻度に差はあるが、CLとJNとで使用するヘッジの大部分の種類は共通している。また、CLとJNと共に、上位10項(xiàng)目は延べヘッジの8割以上を占めている。このことからも、頻繁的に用いるヘッジの項(xiàng)目は重點(diǎn)的に指導(dǎo)することが必要であることがわかる。そして、JN(86%)より、CL(91%)は同じヘッジを重複して使う傾向が読み取れる。
ヘッジの使用頻度上位10項(xiàng)目のうち、7項(xiàng)目が共通に使われている。もう少し詳しく分析すると、「ね」、「ちょっと」、「とか」、「よね」、「多分」5項(xiàng)目が延べヘッジ使用數(shù)に対する比率がほぼ同じで、「けど」、「あのう」2項(xiàng)目には使用頻度の差が顕著である。共通項(xiàng)目のほか、CLは「なんか」を過(guò)少使用する傾向が見(jiàn)られ、「かな」「思う」の使用も少ない。
3、まとめ
本稿は主に中國(guó)人日本語(yǔ)學(xué)習(xí)者の依頼に対する斷り行為におけるヘッジの使用種類、使用頻度、上位10項(xiàng)目の使用狀況を考察した。學(xué)習(xí)者の使用種類、使用頻度は母語(yǔ)話者に比べ、少ない傾向が見(jiàn)られ、また、同じ項(xiàng)目を使用する傾向が窺える。これらの項(xiàng)目を重點(diǎn)的に指導(dǎo)することが有効だと思われる。そして、CLはJNに比べ、過(guò)少使用する項(xiàng)目もある。
4.今後の課題
今後は教科書(shū)におけるヘッジの説明、母語(yǔ)からの転移、教育現(xiàn)場(chǎng)の指導(dǎo)などの視點(diǎn)から、學(xué)習(xí)者のヘッジ使用の影響を考察したい。
參考文獻(xiàn)
Brown, P. and Levinson, S.(1987). Politeness: Some universals in language usage. Cambridge: Cambridge University
Press. Press.
宇佐美(2005)「改訂版:基本的な文字化の原則(Basic Transcription System for Japanese:BTSJ)」
www.tufs.ac.jp/ts/personal/usamiken/mojika.pdf.
堀田智子(2013)「中國(guó)人日本語(yǔ)學(xué)習(xí)者の不同意行為―中間言語(yǔ)語(yǔ)用論の観點(diǎn)から―」東北大學(xué)大學(xué)院國(guó)際
研究科博士論文.